データ収集の基礎知識「実験研究/観測研究」「フィッシャーの三原則」とは?

この記事では、データ収集を収集するプロセスにおいての基本知識をまとめています。マーケティング施策の効果検証などにおいてもベースとなる知識なので、ぜひ抑えておきましょう。

実験研究と観測研究

まずデータ収集において「研究」について解説をしていきます。研究には大きく分けて「実験研究」と「観測研究」があります。

「実験研究」とは、 ある研究において、何かしらの処理を施したグループである「処理群」と比較されるためのグループである「対照群」にわけて効果を調査する研究のことです。例えば、新薬の効果検証で扱われることが多く、参加者全体の中からランダムに新薬での治療を行う処理群と従来の治療を行う比較対象の対照群に割り付けて実験を行い、新薬の効果を検証します。

この考え方はマーケティングにおいても応用されており、例えば、TVCMの効果検証において、TVCMを放映する地域を処理群として、TVCMを放映しない地域を対照群として検証することなども同様の概念と言えます。

次に「観察研究」は、研究対象に対して介入を行わずに、「観察」によって行う研究のことをいいます。マーケティングの事例で言えば、皆さんにも馴染みのある対象者の意識や状態を質問で収集するアンケート調査などが該当します。

このような研究手法があることをまずは覚えておきましょう。

実験研究の誤差を小さくする「フィッシャーの三原則」とは

フィッシャーの三原則とは、誤差を小さくするための実験研究における重要な3つの原則になります。

原則の内容にいく前にまず、誤差の種類について「偶然誤差」と「系統誤差」の2つがあることを抑えておきましょう。

まず偶然誤差は、その名の通り、測定上偶然に発生してしまう誤差です。これは統計的に平均化するなどで解消することができます。一方、系統誤差は、何かしらの条件によって固有に発生する誤差です。例えば、ある場所、ある時間帯、実験を行うある人物によって発してしまっている誤差です。

偶然誤差と系統誤差についてはこちらの記事でも詳しく扱っています。

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この系統誤差を取り除く方法としてフィッシャーの三原則があります。

反復

まず反復です。反復とは、取得可能な場合に複数回同じ実験を繰り返すことです。単発の測定では、系統誤差か偶然誤差かを見分けることができません。そこで、反復により偶然誤差の大きさを評価できるようにすることで、系統誤差の影響範囲を把握し、徐去や修正を可能にします。

無作為化

次に無作為化です。無作為化とは、比較したい条件を無作為つまりランダムに設定することです。例えば、実験を担当する人によって誤差が生じてしまっている場合に、実験者をランダムに割り付けて行うことで、誤差を取り除くことにつながります。

局所管理

最後に局所管理です。局所管理とは、実験を行う時間や場所を区切ってブロックを作り、そのブロック内での環境ができるだけ同じになるように管理することです。例えば先ほどの無作為化で実験者を割り振り誤差を取り除きましたが、実験を行っている場所によって系統誤差が発生している可能性があります。そこで実験場所をいくつか用意し、それぞれをブロックとして同じ環境を作って実験を行うことで系統誤差を取り除くことができます。

実験を行う際は、これらの点を抑えることで誤差を排除することにつながります。覚えておきましょう。

動画解説

本記事で紹介した内容は動画でも解説をしています。よかったらご視聴ください。