運用型広告とは?代表例やメリットなど基礎知識を解説!

この記事では、運用型広告について代表的な種類や関連する仕組みなど基礎知識を解説しています。運用型広告以外も含めたウェブマーケティング手法の全体像についてはこちらの記事で解説しています。

運用型広告とは(純広告と比較して解説)

まず運用型広告とはどのような広告なのかについて、純広告と比較しながら説明します。※純広告とは何かについてはこちらの記事で解説しています。

純広告は、媒体から広告の枠を買い付けて、一定の期間もしくは配信量を決めて配信をします。そのため、運用は要らず、基本的に配信を開始したらあとは配信が終わるまでそのままです。

一方、運用型広告はその名の通り運用が発生します。運用とは、例えば広告の配信量を調整したり、パフォーマンスの悪い広告を停止したりといったことを行います。運用型広告の運用は広告代理店に委託するケースが多いです。

純広告は、運用の手間がない一方でクリック率などの効果が悪くても配信を最後まで継続しなければいけません。その点、運用型広告は、運用の手間が発生する一方で、成果が高くなるように最適化することができ、効果が悪ければ配信を止めるもできます。

またターゲティングの観点でも大きな違いがあります。純広告は、単独の媒体に配信をするので、広告のターゲットはその媒体を利用する読者になります。一方、運用型広告は、複数の媒体に配信をしたり、ユーザーデータを使い、30代の女性でファッションに興味のある人、など属性や興味関心でターゲティングをすることもできます。

このような特徴から、つまり純広告は運用要らずだけれど、効率性の面では低く、運用型広告は運用が発生するけれど効率性は高い広告手法と言えます。

それでは、次の章から、ディスプレイネットワーク広告、SNS広告、リスティング広告の3つの運用型広告について概要と特徴をみていきます。

ディスプレイネットワーク広告(GDN広告)

まず1つ目はディスプレイネットワーク広告です。ディスプレイネットワーク広告は、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示される運用型広告になります。

見た目は、純広告のディスプレイ広告と同じです。違いはそれが純広告として配信されているのか、ネットワーク広告として配信されているのかの違いです。代表的なディスプレイネットワーク広告はGoogleの「Google Display Network」です。略して「GDN」と呼びます。GDNはGoogleのもつネットワーク上で配信がされ、その規模は大きく、Googleのネットワーク1つでかなりの数のサイトで配信をすることができます。

出典:Googleスタートガイドブック http://services.google.com/fh/files/misc/jp_ads_guidebook_2020.pdf

また、GDNの場合、レスポンシブ広告でも配信をすることができます。これは、ネットワークに入稿した広告の画像・テキストなどのデータが、配信される各サイトの広告枠の仕様に応じて自動的に変化し配信がされる仕組みです。広告主は、少ないパターンの画像とテキストさえ入稿すればよく、効率的に運用ができます。

広告の配信先の観点で見ると、純広告は、単独の媒体に配信されたのに対して、ディスプレイネットワーク広告は、アドネットワークという複数のウェブサイトを集めた広告配信ネットワーク上で配信がされるため、不特定多数の媒体で配信されます。そのため違法や不当なサイトに自社の広告が表示されるブランド毀損のリスクが伴います。この点について図を用いてもう少し詳しく説明をします。

こちらが純広告とネットワーク広告の配信の違いを表した図です。

純広告は、直接特定の媒体に広告の画像やテキストなどの素材を入稿して配信するのに対して、運用型広告は、アドネットワークという広告配信のネットワーク上に入稿し、そこから複数の媒体へ配信がされるという流れになります。

これにより注意が必要になるのが、自社の広告が思わぬ違法や不当なウェブサイトに表示されてしまいブランドを毀損しているリスクがないかという観点になります。純広告は広告の効率性では、運用型広告に劣る面はあるものの、確実に自社にとって安全なウェブサイト・媒体にのみ掲載ができるのでブランドを守るという観点ではメリットもあると言えます。

運用型広告についても配信先の媒体・サイトを指定することもできますので、ぜひ運用する際は効率性だけではなく、ブランドをいかに傷つけないかといった視点も持っていただければと思います。

アドネットワークについてはこちらの記事でより詳しく解説しています。

SNS広告(LINE, Twitter, Facebook, Instagram, YouTube広告の特徴)

次にSNS広告について特徴をみていきます。SNS広告は、SNSのフィード上などに表示される運用型広告のことです。Facebook、Twitter、LINEなど各種SNSで運用型広告のメニューがあります。

各SNSプラットフォームの特性を生かした配信が可能ですが、SNS広告の注意点としては、ディスプレイネットワーク広告と異なり、広告内容に対する批判などでいわゆる炎上のリスクがあるということです。それでは、各SNSの特性についてみていきましょう。ここでは代表的なSNS広告のプラットフォームとして、LINE, Twitter, Facebook/Instagram, YouTubeについてみていきます。

LINE広告
まずLINEについて、特徴的なのはその利用者数の多さです。国内で最も利用者の数が多いSNSになり、国内で約8000万人が利用しています。みなさんご存知のとおり、LINEは友人や家族間でのメッセージのやりとりで使われるもののため、拡散性はほぼないSNSになります。LINEの広告は会員登録情報に基づき性別や年代などのターゲティングが可能で、その利用者数の多さから、接触したいユーザーへの圧倒的なアプローチ力が強みとなります。

Twitter広告
次にTwitterです。Twitterの利用者数は国内で約4500万人で、オープンな環境のため拡散性が高く、いわゆるバズるということが発生するSNSになります。同時に炎上のリスクも大きいため注意も必要です。Twitterも年代や性別でのターゲティングができ、また、ある特定のカテゴリーのアカウントをフォローしているユーザーなど、Twitter特有のターゲティングもすることができます。また、企業アカウントからの投稿を広告で配信することができ、ユーザーからの認知を獲得するために拡散や話題化を狙った販促施策にも向いています。

Facebook・Instagram広告
Instagramは旧Facebook社が提供しているサービスのため、Facebookと同じ広告プラットフォームから配信をすることができます。利用者数はそれぞれ約3000万人、インスタグラムはみなさんご存知の通り主に女性ユーザーが多いです。拡散性はTwitterに比べては低いプラットフォームですが、FacebookとInstagramの強みはなんといってもそのターゲティング精度の高さです。Facebookに登録されている実名性の高いデータを扱うため、例えば職業や未婚、既婚など詳細なターゲティングが可能となっています。

YouTube広告
YouTubeの国内の利用者数は約6000万人で、皆さんご存知の通り、動画に特化したSNSプラットフォームです。YouTubeもTwitterほどではありませんが、オープンな環境のため比較的拡散性は高いといえます。YouTubeの動画広告は「インストリーム」というユーザーが視聴している動画の中で配信する形式のため、視聴者の印象に残しやすく配信ができ、ブランド認知の獲得などに有効です。また、Googleが運営するため、Google広告で可能なターゲティングや数値データの計測ができるのも強みになります。

以上が主要なSNS広告の概要になります。実施しようとする販促施策の目的と、各SNSプラットフォームの特性を考えてどのプラットフォームで広告を配信するのかを考えることが重要です。

リスティング広告(プル型とプッシュ型広告の違いについても解説)

運用型広告の最後はリスティング広告です。リスティング広告は、別名、「検索連動型広告」とも言われ、検索ワードを元にターゲティングを行います。皆さん一度はみたことがあると思いますが、このようにGoogleやYahooなどの検索サイトの検索結果画面に表示される運用型広告です。

リスティング広告の特徴は、とにかくニーズが顕在化している層、つまり最も顧客になる可能性の高いターゲットへのアプローチができる広告です。例えば、図の例のように、「マーケティング学習」と検索した結果、マーケティングに関する学習教材の広告などが表示されます。マーケティングについて学びたいと思い、検索しているような人に広告を表示させることができるため、ウェブ広告の中でも最も成約につながりやすい施策になります。

1つデメリットな点としては、リスティング広告は「プル型」の広告でありアプローチ範囲が他の運用型広告と比べると狭いという点です。この点についてもう少し詳しく解説します。

販促施策はプル型とプッシュ型にも分けることができます。プル型とは、ユーザーの消費行動の発生する場所に広告を表示し待ち構えるような販促になります。今回のリスティング広告やこの後のレクチャーで扱うSEOという施策がプル型の販促になります。

一方、プッシュ型は、待ち構えるのではなく、その名の通りプッシュする、「押して攻める」販促になります。ディスプレイ広告やSNS広告で、広告主が主体となり、形としては強制的に広告をユーザーに表示させることで商品やサービスを知ってもらう販促になります。

このような特性から、プル型はニーズが顕在化しているユーザーにアプローチするため成約につながりやすい一方で、ニーズがすでに顕在化しているユーザーは比較的少なく、アプローチできる範囲が小さいというデメリットがあります。そのため認知獲得の施策には不向きと言われています。

一方。プッシュ型はニーズが顕在化していない不特定多数のユーザーにアプローチすることになるため、成約率はプル型よりも低くなる傾向にあります。ですがその反面、アプローチ範囲は広くなるのでまだ商品やサービスを知らないユーザーには効率的にアプローチできます。

図で表すとこのようなイメージになります。

プッシュ型の方がアプローチ対象となるユーザー数が多く、認知向き。プル型はアプローチ対象は少ないですが、成約向き。となります。同じ運用型広告にもこのような特性の違いがありますので、プル型、プッシュ型それぞれの販促施策をバランスよく実施することが望ましいといえます。

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