【学習記録】市場推計入門

  • 2024年2月23日
  • 2024年2月24日
  • 学び

市場規模の定義

市場規模とは、特定の事業分野において一定期間内に取引された金額や販売数の総額のことである。つまり、その業界の総売上高に相当するのが市場規模である。

市場規模を把握する意義

市場規模の大小や経時的な変化(拡大するのか、縮小するのか)を把握することで、新規参入や既存事業の方向性の検討といった経営戦略、事業戦略の策定につながる。

市場規模の主な調べ方

①既存情報から調べる

リソース良い点注意点
行政機関の公表する資料(基幹統計)労働力調査、家計調査・出典や計算根拠などが詳細に記載されているため、信頼性が高い・事業規模が一定基準以上の企業のみ調査対象とされていたりする
業界団体の調査レポート自動車や不動産・市場規模が大きい業界は、一般社団法人である業界団体が独自の調査を行ってる。
・官公庁の調査レポートよりも市場規模や市場動向を早く把握できる。
・対象業界が限られている。
・調査対象が会員企業のみであるため市場全体をカバーしないこともある
調査会社からのデータの購入矢野経済研究所、SPEEDA、富士経済・詳細かつ精度の高いデータを素早く入手できる・費用が掛かる
シンクタンク・金融機関みずほ産業調査、野村総合研究所・年次推移データなども、見やすくグラフでまとめられている
・今後有望なテーマや産業が取り上げられている
・対象業界、データが限られている

②自分で推計する

パターン算出方法
企業視点から算出市場規模=売上高÷業界シェア
市場規模=企業数×平均売上高
消費者視点から算出顧客数、顧客単価、購入頻度から算出
フェルミ推定ターゲットとなる人口や世帯数・利用頻度・利用額などの情報を手がかりにする。
算出の元となるデータが見つからない場合は、類似する商品やカテゴリーの情報から推察したり、自分の周囲の人の使用状況などから予測したりして、およその数値を当てはめて計算する。
アンケート調査による算出定量調査を実施した数値結果をもとに試算をする。

市場規模の結果に対する判断

パターン問題点ポイント
市場規模が大きい・拡大傾向にある競争が激しく、レッドオーシャンの可能性が高い
価格競争も起きやすい
自社の競合優位性が作れるか
市場規模が小さいそもそも事業として成立できない可能性がある一部の顧客層から高い支持を得て安定的に収益を得られるか
市場規模が縮小傾向にある既存事業を継続するだけでは先細りになる従来のノウハウや商品をもとに事業の横展開や隣接業界への参入が必要となる
競合の撤退による残存利益を狙う(既存顧客のリテンション、ロイヤル化を狙う)

市場推計における解釈・受け止め

推計に関して社内からよく上がる声

・「さまざまな状況をシミュレーションして予測したい」

・「プロジェクトを社内で通すために、売れる可能性をデータで示したい」

しかし、あくまで推計にすぎないことを理解する必要がある。売上に影響する様々な要因を正確に予測することはできず、自社でコントロールできないことも多い。そのような状況で作った数値を「シミレーション」として指標に置くことにはさほど意味はない。(下手すると判断を見誤る可能性もある)

市場推計はあくまでその事業のポテンシャルを確認するためのものであると捉え、新規事業や新商品への投資価値を判断し、意思決定を早める判断材料の1つである。

参考文献:

https://mdb-biz.jmar.co.jp/column/57

https://column.neo-m.jp/column/marketing-research/-/3584

https://column.neo-m.jp/column/marketing-research/-/3584

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